いま世の中に出回っているコンピューターはその昔、幾つもの改良を遂げて開発されてきた技術の恩恵を受けて存在するものばかりです。とりわけMSXとは80年代から90年代にかけてリリースされた8ビット、あるいは16ビットにて動くパソコンです。キーボードが本体みたいな感じでカセットを入れるスロットも付いています。画像のはパナソニック製です。
MSXは何もゲーム専用機というわけではなく、パソコンとしての高性能の処理能力も持ち合わせており、使用可能な色彩の数も豊富でグラフィックも綺麗。同時期にリリースされたファミコンに比べても高スペックと言えるでしょう。また、カセットプレイヤーなどを接続してカセットに記録された様々な情報を読み取ったり、画面表示したり、プログラム実行することもできて、それを使えば既製品以外にも他のユーザーが作った自作のゲームをプレイすることもできて、楽しみ方が無限に広がるというのも機種の長所でした。
しかしながら、せっかくのパソコン的な機能もあまり浸透することはなく、MSXは徐々にファミコンと同じゲーム機としての機能のみを求められるケースも増えていきます。そうなるとせっかくの高スペックもあまり意味はなく、さらに本体がキーボードゆえにゲームとして遊ぶコントローラーが搭載されていないことも短所として指摘されることもありました。こうしたジレンマに応えるべく、様々なメーカーがゲーム用のコントローラーやスティックなどを販売しましたが、その後もファミコンの人気を超えることはありませんでした。
それにMSXはスクロール画面が苦手とされ、横スクロール型のゲームではあまり思ったような動きが実現できないという欠点もありました。